家の本棚に、ボロボロになった本がある。
僕は比較的持ち物を綺麗に扱うが、二十年近く持ち歩いて来たその本はかなりくたびれてしまっている。
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」という文庫本だ。
ひとり旅に行く時は、読もうが読むまいがとりあえず鞄に入れておく。
そのくたびれた文庫本は、日常生活を離れる為の切符のように、お守りのように僕のそばにある。
読み返す度に、僕は見たこともない星座や、ほんとうのさいわいについて考える。
自分と関係を持ってくれた女性や、離れていった昔の奴隷。
皆が皆、自分の座り心地が良い席を探している。
たまたま僕の近くに居心地の良さを感じてくれた女性もいるし、座ってみたら席が酷く冷えていた女性もいるのかもしれない。僕が従者にしてあげられる事は限られている。
きっと合わない席に縛りつけておく事はお互いを不幸にするし、M女が求めているのはそんな拘束ではない。
縛られる事で自由になる。
そんなM女が求める当たり前の事を、我々男性は時折忘れてしまう。
最初は新鮮だったはずの銀河鉄道の車窓から見える風景に、いつの間にか慣れてしまう。その慣れは慕ってくれる女性を粗末に扱う事に繋がる。
僕は僕のくだらない話を聞いてくれる従者を大切に思うし、大切にしてると伝わって欲しい。
それぞれとの関係はオリジナルである。焼き回しのような関係は、きっと従者は望んでいない。
ボロボロになった「銀河鉄道の夜」を読み返す度に、僕はそんな風に思うのだ。
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