日記

選択を捨てる奴隷

liebeseele(リーベゼーレ)

大人は何もかもを選ぶ事ができる。

大人になることは選択肢が増えるという事だ。

人を育てることも殺すことも、口紅の色を選ぶのと同じように選択をする自由がある。

しかし選択肢が増える事で、返って選択は難しくなる。

選択肢と同じ数だけ失敗や後悔も分岐をしていくから、自分が選んだ道が間違っていた場合にそこから最も遠い選択肢を恨めしそうに睨む事になる。

そして人生の中でいくつか直面する「選択できないモノ」に人は酷く苦しむ。

それは望まない出会いであったり、望まない別れだったりもする。

 

「奴隷になること」を選ぶ女性がいる。

 

今まで細心の注意を払ってきた危機管理や、選択をする権利。

最後の選択の権利が「そのご主人様と関係を結ぶ事」であったかのように、多くの権利を手放して奴隷の身分を求める女性がいる。

その多くが社会的に自立した女性であり、自律ができる女性である。

しかし自らが関係を結んだ主人には情けないくらいに服従し、必死に忠誠を示す。

洗ってもいない足の指を嬉々としてしゃぶったり、アナルに差し込まれた擬似の尻尾を文字通り振りながら主人に媚びる。

屋外での露出や、目前での自然便の排泄など、本来絶対に受け入れてはならない屈辱に快楽を覚える。

全裸の方がずっとマシな姿を命じられる事もあるだろう。

 

その姿はまるで、退行してしまった単純な動物のように快楽と主人への服従に固執する。

調教中に複雑な思考をする事はできず、目の前にある掌がすべてを握る。いや、握っていて欲しいと強く願うことしか出来ないかもしれない。

考えるべき事は、主人を喜ばせる事。主人が考えなさいと言った事。

サブミッシブの女性は頭の良い男性が好きだ。自分がどこまで潜っても底が見えない男性と巡り合えた時、きっと気持ち良く深く沈む事ができるだろう。

だらしなく服従するしかなくなってしまった女性の姿を、僕は見ていたい。

 

 

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