主従関係に対する考え方、関係の保ち方は人によって異なる。
それは恋人や夫婦関係と何も変わらず、関係を構築している2人によって色合いが変わってくるのは当然の事だ。
2人が知り合う切っ掛けは性的関心かもしれない。その情動が元でTwitterやSM系のサイトを介してマッチングし、関係が始まる。
「ご主人様」と「奴隷」という性質上、(少なくとも初期の頃は)ご主人様が関係のベースを作っていく。
2人で会う時の決まり事、約束。これは奴隷側の意思を無視云々というものではなく、奴隷側も何が正解かわからないのでご主人様が求める関係に沿っていくケースが多い。
奴隷側からはご主人様に対して質問をしにくいという実状もあるだろう。
ここまでは良くある話だが、ここから先は主側の性格や資質が問われるという事に留意しておかなければならない。
特に奴隷側(当ブログでは女性を想定する)は自分一人では判断に迷う部分でもあるので参考にして頂けたら幸いだ。
関係が数か月程度続いた時、主側はここから先で大きく2パターンに分かれる。
- 性欲だけが強く主張し、とにかく主の都合・要望を叶えることが第一優先になる場合
- 奴隷側の声に耳を傾け、お互いにとって良い関係を模索していく場合
字面だけみた場合、もちろん2の方が聞こえは良いだろう。しかし「主従関係」という日常から逸脱した関係の場合、精神状態は想像以上に複雑だ。
まず1について解説したい。
ご主人様を愛していればいるほど、奴隷はその願望を自分で叶えて欲しくなる。
ご主人様に配慮があって常識的な人間である場合、調教前後のケアもあるのでそれはそれで良い関係が築けるだろう。
「ご主人様が求める事は自分がしたいこと」という精神状態はとても素敵だし、従者として愛らしい。
しかし問題は、その状態は「奴隷側の奉仕の心」である事を理解せずに自分がここまで躾けた・この女は何でもすると性欲の発散対象としか思っていない男性だ。
そういった男性は女性側の蓄積したストレスや不満に気づかない。また性欲を発散することが第一優先なので、その女性に新鮮な反応があったり、まだしていない調教がある内はその女性を頻度高く奴隷として使用する。
しかし飽きが早く、女性が深く溺れてしまった頃には冷めているという最悪なパターンの男性は傲慢なS男性には本当に多い。
そしてこのパターンの場合、男性側がひどく傷つく場合もある。
飽きたと思ってぞんざいに奴隷を扱っていたら、ある日奴隷側から関係の解消を言い渡されたり他に魅力的な主を見つけられてしまった場合だ。
すると直前までどうでもいいと思っていたはずの従者の大切さに気づき、心が苦しくなりながらも取り返しがつかなくなるパターンだ。
完全に男性側の因果応報だが、僕も昔このような過ちをおかした事がある。
このブログは女性向けの内容だが男性を傷つけたい訳ではないので、こういった状況もあるということをモデルケースとして知っておいて欲しい。
次に2について解説をしたい。
関係が長く続く主従関係は、お互いの熱量のバランスがとてもいい。また、調教以外の部分でも会話ができていて、お互いに興味を持っている。
「過ぎたるは及ばざるが如し」という言葉がある。これは良いと言われている事でも過剰は良くない、普通にも満たなくなるという意味である。
実は主従関係で感情や熱量のバランスを取ることはとても難しい。一生懸命に注いだ愛情でも、どちらかが受け止めることが怖くなる場面もある。
優良な主にも色々な定義があると思うが、僕は高いレベルで対話・察知ができるのが良い主の能力の一つだと思う。
奴隷側の主張を自分の感情や色眼鏡で歪ませない。都合良く受け取らない。思考を止めない。
それを怠る主は、奴隷が流しているのが歓喜の涙か悲哀の涙かを読み間違える。
会話ができているか。負荷は適正か。
それらを意識的に定点観測していないと、気がついたら奴隷と調教以外の行為をまったくしておらず、話もまともにしていなかったという事もある。
主従関係は関係を始めることが目的ではない。
せっかく踏みこんだ世界をお互いが楽しめるよう、性欲だけで繋がるような事は避けよう。
性欲だけで繋がるなら、お互いにそういったパートナーを探した方が良い。
どちらかだけ気持ちが入ってしまった時が最も苦しいのだから。
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