日記

いつか終わる幸福を

liebeseele(リーベゼーレ)

 

僕は新しい女性と出会って、一定期間関係を持ち、何かの理由で関係を解消するということをずっと繰り返してきた。

解消には幸いなことに結婚などポジティブなものが多いけど、中にはどちらかが原因のネガティブなものもある。

異国言語のように、お互いの感情や温度感は違う。たまに似ているように見えるものがあっても、やはり細部は異なる。

結果的に、上手く手を取り合うことができなかった女性もいる。

 

そんな中で、一定期間でも楽しい時間を共有してくれている女性がいる。してくれた女性たちがいる。

尽くしてくれる彼女たちに感謝は尽きない。

彼女たちは女性としてとても魅力的だし、本来は1人の男性の愛情を一身に受けるべきだろう。

気の迷いか、性的な欲求か、この歪な関係を幸いなものとして受容してくれている。

端から見てどう見えるかわからないが、僕はこの状態を当たり前であるとか、あぐらをかくような気持ちは無い。

 

ただ、お互いにとってとても自然であるように思う。

ドミナントであるとかサブミッシブであるとか、そういった煩わしいものを抱えて僕たちは大人になってしまった。

言語化する事は難しく、言語化したいときに言葉は出てこない。

たまたま分かり合えるパートナーに出会った僕らは、強弱はあれど説明をしなくていいその心地良さに共依存しているのかもしれない。

僕は始まった時に、終わる時のことを考える。

いつか確実に、最後の時間が訪れることを意識する。

 

僕とその女性の物語は、終わってしまえば誰の目に触れることもなく、まわりの誰かが思い出すこともない。

とても残念だけど、宇宙へ送られたクドリャフカのようにはならないだろう。

僕の元を離れて誰かと幸せになった女性は数年後に、数十年後に、ほんの一瞬の空白の間に思い出すことあるかもしれない。

ただ、そんな朧になった物語に価値がなくなってしまうかと言えばそうは思わない。

 

誰かのご主人様だった。

誰かの奴隷だった。

 

恐らく近しい人に話すことがないこんなエピソードは、人生の中で鈍い輝きを放ち続けるように思う。

僕が女性たちにとって良いパートナーなのかわからない。

それでも僕は「ご主人様」として、彼女たちが日々を健やかに過ごし、穏やかに眠りにつけることを願っている。

いつかまた、萩の季節に

2つの人生がふれあう幸福

夜行

 

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