萌花の調教について書く。
彼女は都内の大学に通う21歳だ。
理知的で清楚、どこか品のある佇まいは、彼女がこれまで十分に大切に育てられてきたように感じる人も多いだろう。
しかしその整った輪郭の内側には、誰かに支配され、弱みを握られることでしか満たされない暗い欲求が隠されている。
陽のあたらない願望。誰か一人だけが知っていればいい彼女の深層である。
某日、彼女と都内のホテルで待ち合わせをした。
何度会っても緊張した面持ちの彼女は、これから起こることへの期待と不安が入り交じったような表情を浮かべていた。
初めての調教の時に震えるほど緊張している女性は少なくないが、一度調教を経験した女性にはこれからまたあの時間が訪れるといった別の緊張が生じる。
日常の彼女は周囲から、特に大人からは「年齢以上に落ち着いた大学生」として見られているのだろう。
彼女が家庭の中で背負ってきた責任やストレスは想像以上に重いものだったはずだ。

少しずつ、彼女から「ヒト」としての尊厳を剥がしていく。
彼女を縛り付けている日常を、衣服を脱がせていく。
一枚ずつ服を失うごとに彼女の社会的な立場も理知的な表情も剥がれ落ちていく。
裸に剥かれることは、彼女にとって最初の「支配の受容」である。
下着姿になった彼女に少し下品な衣装を与える。
彼女の品性には全く似合わない、露出の多い衣装。
それを着ることで彼女は完全に「日常」から切り離される。


恥じらいながらも彼女はその衣装を身に纏った。
自分の意思では決して選ばないものを強制される快感に、彼女のカラダはすでに熱を持ち始めている。
イスに座らせ、後ろ手で拘束する。
身動きが取れない状態にすることで、彼女は自分自身をコントロールする権利を完全に失う。


抵抗できない彼女のカラダに玩具をあてがう。
理知的な彼女がただの快楽の器として扱われる瞬間。
彼女自身がおもちゃのように、飽きるまで使われるしかない一方性。
そしてそのすべては記録に残される。
撮影されることは誰しも恐怖で不安がつきまとう。しかしそれを受け入れることで得られる快楽を彼女は知ってしまった。
忍耐の先に美味しい餌があることがわかると、人は忍耐を受け入れるようになる。
動物と何も変わらない。

最初は我慢していた彼女も徐々に漏れ出る声を抑えきれなくなっていく。
快楽は自分の意思とは無関係だということを、賢い彼女は理解できただろう。
堕落した彼女を後ろから眺める。
女性の本心は背中に現れると思う。
手入れ、汗、どんな表情を作ればいいのか。
背中の反応はとても素直だと奴隷たちを見ていると感じる。

ベッドに移動し、カラダをよく見せるように命令する。





どこをさわってもイクように開発されたカラダ。
膝をあて強い刺激を与えると、彼女はベッドの上で身をよじらせた。
もうそこには品のある女子大生の姿はない。


快感に溺れただ喘ぐことしかできない彼女。
思考を放棄し、すべてを委ねることで、彼女は興奮しながらも安らぎを得ているのだ。
足置きになるように命令すると、それすら「気持ちのいい行為」として受け取ってしまうようになる。
足置きは小刻みに揺れていた。


不意に玩具をあててやると、萌花は悲鳴のような声をあげた。
逃げることも許されずに耐えることのみしか許可されていない。
この時間この空間では、僕の許可と却下がすべてだった。

すでに高まっていたカラダに強すぎる刺激は何度も彼女をふしだらにした。
悲鳴を重ね、何度も謝罪を繰り返す。
何に謝っているのかもわからない。ただ謝らなければこのはしたない姿が許されないような気がしたのかもしれない。

仰向けにさせると、彼女は学生らしくない女の表情をしていた。
延々と責め続けると、萌花は壊れた玩具のように何度もはじけるように絶頂した。
頭が回らなくなっている時、彼女が絶対に取りたくないポーズを命令する。
何度も写真におさめる。日常の自分とは異なる自分が生まれていく。

その滑稽で無様な姿は、彼女が元々持っていた心身の美しさとの落差によってとても美しかった。

自覚はなかったかもしれないが、彼女は喜んでいたと思う。
自分の弱み、醜い部分をすべて見せ、それを受け入れられることで彼女の心は救われていたのだと。
調教が終わると、彼女はいつも死んでしまったように脱力をした。
彼女の身体に軽く手を添えたまま、何も話さずに一時を過ごす。
空調の音、どこかの足音。
日常は少しずつ音として彼女の鼓膜を揺らし、ゆっくりと起き上がる。
「ありがとうございました」
萌花はお礼を言う。いつもの彼女が戻ってきたと、その時に思う。
日常の中で完璧を求められる女性ほど、誰かにすべてを壊され、支配されることを望んでいる。
彼女たちは自分の弱みを握られることで初めて肩の荷を下ろすことができるのだ。
醜くなることで美しくなる女性もいる。
この可哀想な魅力を持った女性たちを、僕はとても可愛らしいと思う。
従者と過ごす日常も調教も、僕の生活を鮮やかに彩ってくれている。
これからも、二人の間でしか共有できない秘密を話してくれると嬉しい。


