僕は普段医療系のコンサルタントとしての業務をメインで行っているが、この一週間程度は夏季休暇として仕事を入れなかった。
一年に何度か、都内のシティホテルに泊まって普段とは異なる環境に身を置く。
新しい発想であるとか、人間関係であるとか、従者それぞれへの調教・躾の整理であるとか、日常から切り取られた環境で穏やかに思考を巡らせる。
改めて誰かの事を考える時間というのはとてもいい。
その人が放った好きな言葉を反芻し、感謝をする。
幸いにもつながった理由が性的欲求だけではなかった僕と従者たちは、日々色々な話をする。それらを色取るならば青であり、時には紫である。
色とりどりの言葉を交わせる権利を、僕はとても嬉しく受け止めている。性欲一色の会話はきっとつまらない。
ホテルステイの初日であった昨日、チェックインをするまでの時間に初回のカウンセリングを希望するクライエント(心理カウンセリングにおいては依頼人をこう呼ぶ)と約束が入っていた。
東京の港区という場所に借りている小さな事務所にてクライエントを迎え、1時間程のカウンセリングを行う。
日本のクリニック開業件数において、精神科・心療内科は近年顕著に増加傾向にあると思う。
もちろん僕が行えるのは治療ではなくあくまでカウンセリングだが、大きな枠で考えるとメンタル的な問題・悩みを抱えた方が増加していることに比例しているのだ。
カウンセリングが終わった後、近くにあった庭園を訪れることにした。
旧芝離宮恩賜庭園という、とても美しい庭園である。
よく整えられた池や木々を眺め、その奥には近代的なビルが並ぶ。
それらは東京でしか見られない緑と灰色の調和かもしれない。
東屋の日陰で涼をとり、静かな水面を眺める。
魚が、虫が、時折わずかな呼吸で波紋を起こしている。
池のあちこちで輪が生まれ、減衰し、消滅する。
きっと世の中の様々な場所で、届かない想いや感情が同じよう消えている。
誰にも言えない願望や欲求を、なかったものと自分を納得させるしかなかった人もいるだろう。
それは男性にも女性にも言えることで、日常での賢いかどうか、強い弱いはあまり関係がないかもしれない。
各々の理由により関係が終わった子も含め、僕はとても幸福な出逢いに恵まれた。
自分と良い縁を持ってくれた女性たちに、改めて感謝をしたいと思う。
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