日記

六月の雨

 

水分を多く含んだ空気は息苦しく、少し歩いただけでワイシャツは不快に湿っていく。

沿道にはこの季節を待っていたかのような薄い色のレインリリーが並んでいる。

 

僕は東京に住んでいるが、原稿を書く時、考え事をする時に都内のホテルに泊まる。

世界から切り離されてしまったような部屋で、沢山の事を考える。

夕方に雨の匂いがした事、死んでほしくない人が死んでしまった事、少なくはない数の女性と関係を持って終わって来たこと。

関係が終わった女性やしばらく会えていない従者との些細なやり取りを思い出し、穏やかな気持ちになる。その後に、少しだけ寂しくなる。

 

学生の頃「主従関係」を始めた時、僕は性欲を埋める相手を探していた。

あまりセックスをしたいという欲求はなかったので、正確には性癖を満たしていたのかもしれない。

沢山の女性と出会って関係を結び、単頭飼いから多頭飼いに。奴隷に対する考え方や接し方は少しずつ変化してきた。

少しの変化は年数を重ねるとやがて大きな変化になる。

積み重ねるごとに、僕は性欲だけでは主従関係を持てなくなった。

 

従者には様々な女性がいる。

支配を求めて彷徨ってきた女性、恋人と良好な関係を持った女性、奴隷である自分を突き詰めようとする女性。

立場や環境は異なるが、彼女たちに共通しているのは「服従することに誰よりも純粋である」ということだ。「服従したい」と感じた相手に服従するという気持ちが人一倍強い。

主従関係は想像が難しいので、女性も始まりは性的欲求や好奇心かもしれない。

しかし関係が長くなればなるほど、好奇心だけでは、性欲だけでは繋がっていられない。

主従関係を結ぶのは、肉体的な調教がなくなったとしても関係を続けたいと思うような相手なのだと思う。

もちろんそれは事前には想像できないし、恋人が大切だからこそ肉体関係のみの方が望ましい場合もあるだろう。

サブミッシブの女性はノーマルな一生を終えるより、一時でも「服従」を経験したほうが圧倒的に幸福度は高いと思う。それは対照的にドミナントにも言えることだ。

 

「ご主人様と奴隷」という誰にも言えないような、誰にも立ち入って欲しくない世界がある。

普段聞きなれない言葉を沢山かけるだろう。出逢ったことのない感情が溢れてくるだろう。

主従関係の魅力がアブノーマルなプレイではなかった事に気づく幸福もあるかもしれない。

従者の髪を触っている時に、好きな小説について話をしている時に、僕はその女性との主従関係を認識する。

 

主従関係の在り方は様々で、出来上がった関係は色とりどりだ。

いつまでも同じである必要はないし、その人と最も心地の良い関係であれたら良い。

性が絡むからこそ、目の前の性から離れた時にも誠実でなければならない。

 

誰かを大切にできる時間は限られており、とても限定された権利である。

大切な相手が手の届く距離にいる間に、できるだけ酷く、できるだけ優しく尽くしたいと思う。

 

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