日記

特別な日を過ごせない人々に

liebeseele(リーベゼーレ)

特別な日を、誰かと過ごさないことにしている。

 

ネットでの出会いから始まることが多い主従界隈には、様々な背景を持った男女がいる。

恋愛を含む主従を楽しむ2人、既婚者でありながら不倫関係で主従を育む2人。

倫理的に何が正しく、歪な関係の是非についてはここでは問わない。正当化も考えない。

ただ、その関係でしか塞げなかった寂しさがあるのだと思う。

 

僕は現在主従関係において多頭飼いをしている。複数の女性に首輪を掛け、奴隷として調教を行っている。

従者(奴隷)の環境も様々だ。

恋人のいる女性、いない女性。恋人の出来そうな女性、別れたばかりの女性。仕事の都合で海外にいる女性もいる。

12月25日を、大切な人と過ごしている従者もいるだろう。

 

僕は特別な日を、誰かと過ごさないことにしている。

誕生日やクリスマス、世間一般的にいう特別な記念日だ。

自分の誕生日やクリスマスに、たいした価値があると思ってはいない。それでもそんな日を特定の誰かと過ごすことで、苦しい思いをする従者がいる。

もちろんそんな事は気にしない従者もいる。ただ一人でも嫌な思いをするのであれば、僕は仕事をするか一人で過ごすことを選択する。

多頭飼いをする不誠実な自分の、僅かばかりの配慮のつもりだ。

こんな小さなルールは、僕と従者以外には何の意味も持たない。周囲からみればつまらない自惚れか意味のない選択にしか見えないだろう。

 

主従関係を持っている人々で、大切な日に直接愛情を伝えられる男女がどれだけいるのだろう。

最も大切な相手が家族ではない人も、誰にも言えない相手と関係を持っている人も。

少しだけ赦されて、誰にも聞こえない声の大きさで愛情を伝えられたら良い。

 

主従関係を崇高な関係と捉えるか純粋な性的好奇心の延長と捉えるかはその人の価値観に依存するだろう。

しかしそれが許されない関係だったとしても、会っているその僅かな時間だけは世界に2人だけのように同じ寂しさを共有できたら救われる。

慕っている従者たちにはそれぞれ美味しいものを食べて、暖かい部屋で素敵な夜を過ごしてほしいと思う。

 

いつかまた、萩の季節に

海の底で

六月の雨

 

 

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