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さよなら、アルタイル
2024/12/17
ある週末、東京を離れて一人で旅に出掛けた。 季節は夏から秋に変わる準備をしている最中で旅先にも服装に迷った人々が散見される。 心配性や寒がりは厚着を。近場の外出らしき人は薄 ...
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調教小説「仕舞われる女」
2023/9/24
某組織の諜報員、レイカが捕まった。 連れて来られた地下室には無数の透明な柱が立っている。 柱は樹脂のような素材でできており、中には精巧な女性の人形が収められている不可思議な造りをしていた ...
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いつかまた、萩の季節に
2024/12/17
ある時、雨の日に海を眺めていた。 海に還っていく雨を眺めていると、一時的な感情はいつかきっと海に落ちた雨粒のように曖昧になってしまうのかもしれないと感じる。 海に広がってしまった雨粒を正しくすくい上げ ...
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六月の雨
2024/11/9
水分を多く含んだ空気は息苦しく、少し歩いただけでワイシャツは不快に湿っていく。 沿道にはこの季節を待っていたかのような薄い色のレインリリーが並んでいる。 僕は東京に住んでい ...
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手のひら
2024/12/11
眠ってしまう前に、短く更新をしたい。 日々、新しい人に出会う。 自分を好きだと言ってくれる人、自分を遠ざけようとする人。 僕はその人たちを言葉であるとか、詩であるとか、あら ...
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スクラップ・アンド・ビルド
2024/11/9
毎年冬になると、雪の多い街に一人旅へ行く。地元民の生活を脅かす膨大な白は、皮肉にも旅行者の心を穏やかにする。 今年は世相から外出を控え、都内にある自宅で大人しく年の瀬を過ごしている。 & ...
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白夜に手を振って
2024/11/9
夜がいつも同じ色であるとは限らない。 精神状態は、視覚に様々なフィルタをかける。 初めて首輪をかけた夜は青白く甘く、首輪がちぎれた夜には暗黒色が視界を満たしていく。 サディストだろうがド ...
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またいつか、真夜中に
2024/11/9
誰でも真夜中を特別だと感じる時がある。 それは恋愛は上手くいかないと初めて知った14歳かもしれない。 社会の軋轢に心が壊れかけた35歳かもしれない。 いずれにせよ、空気の重 ...
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酸素の薄い朝
2024/11/9
主従関係について、思考と錯誤を繰り返す。 やかんに水を注ぎ、火にかける。 透明なガラス製の急須に茶葉を落とし、その瞬間を待つ。海底の柔らかい砂のようなソファに腰掛け、従者の事を考える。 ...